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闇子さん 01 「はい、そうです。その廃校舎です」 いつものように連絡をすます。 といっても、相手先がどこなのか、詳しいことは知らない。 「早く…早く帰りましょう…」 うさぎちゃんの、この台詞もいつものことだ。 うさぎちゃんは泣いても可愛い。 「そうだね。お腹空いたし」 今日の晩御飯は何だろうか? うさぎちゃんの手料理に期待しつつ、帰路についた。 「あ、はい、わかりました。すぐに向かいます」 仕事が来た。なんでも近くの廃校になった学校に、「都市伝説」が生まれそうらしいのだ。 それの調査と、場合によっては退治が僕らの仕事だ。 「まったく…最近の小学生は携帯電話なんて物をもってるのね」 「だって、お母さんが最近物騒だから持ってなさいって」 「一昔前なんて、サラリーマンくらいしか持ってなかったものよ」 隣でぐちぐちと言っているのは闇子さん。僕のパートナー。 見た目は僕と同じくらいなのに、随分と大人っぽい雰囲気がする。 実際、僕の何倍も生きてる(?)のだから当たり前だろう。 「だいたい、その仕事ってのはどこから来てるのよ」 「んー…なんでも、いろんな都市伝説との契約者を集めて、 この町の都市伝説を管理する組織なんていうのらしいんだけど」 正直なところ、詳しくは僕も知らない。 闇子さんと出会ってすぐのころ、急に電話がかかってきて仕事が来て……… それで今にいたるわけだ。 「なによそれ、いい迷惑ね。 だいたい、こんな危ないことを、私達小学生に任せること自体がおかしいのよ」 「えー…と、闇子さんまだ小学生なの?」 「ずっと小学校のトイレにいたのよ。小学生でいいじゃない」 「……ここかぁ」 「ずいぶんとボロっちぃのね」 「廃校なんだから仕方ないと思うけど」 「とりあえず中に入りましょう」 「そ…そうだね…」 さっそく、僕達は校舎への侵入を試みる。 割れてる窓がけっこうあり、案外あっさりと入ることができた。 「…うわぁ」 なんというか…暗い… 明暗ではなく、雰囲気が暗い。 「さっさと探して帰りましょ」 そんななか、闇子さんは、なんてことないようにスタスタと歩いていく。 「闇子さん、怖くないの…」 「怖いわけないじゃない。あなたこそ何を怖がってるのよ」 「………お化け?」 「私だって同じようなものよ」 「だって闇子さんは…」 「私は?」 「な…なんというか……」 「何か言いなさいよ」 「もういいわ。さっさと終わらせましょ」 闇子さんはそう言うと再び歩きはじめた。 ああもう…僕の意気地無し… 「それにしても、いくらなんでも多過ぎると思わない?」 「なにが?」 「仕事よ仕事。いくらこの町の都市伝説が多いからって、こんなにすぐ見つけ出せるものかしら」 「なんでも凄腕の探し屋がいるらしいよ」 これも詳しくは知らないが、 とある契約者コンビが次から次へと都市伝説を見つけだしているらしい。 「ふーん…」 「何かいる」 先に見つけたのは僕だった。 「アレね」 闇子さんもすぐに見つけたみたいだ。 「……で、アレ何?」 「さぁ?」 なんとも形容しづらいものだった。 何かの塊。特に何かの形をしているわけではない。ただの塊。 「都市伝説に、まだなりきってないものみたいね。 おそらくは、噂としても何かがいる、としか広まってないんでしょう」 「あ、こっちに来たよ」 何かはわからない。ただ、良いものではないということはわかる……気がする 「人を襲ってはいるようね。まだ自身も定まってないというのに生意気」 「闇子さん、なに落ち着いてるの!逃げないと」 闇子さんは、はっきり言って強い都市伝説ではない。 今もなお有名な花子さんと違い、今ではマイナーな怪談のひとつでしかないからだ。 「そうね」 「ほら、がんばりなさい」 「…ぜぇ…だって…ぜぇ…かけっこは…にが…ぜぇ…苦手なんだもん」 僕達が今向かっているのは女子トイレ。 闇子さんの力を一番に発揮できる場所だ。 「もぅ、シャキッとしなさい」 そう言い、闇子さんは僕の手を掴んだ。 あっ、凄いドキドキする。走ってるとかそういうのじゃなくて。 なんだか力がわいてきた。 たぶん好きな子に手を握られてるからだろう。 「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」 息も絶え絶え、汗はダラダラだが、なんとか間に合うことができた。 「ふふっ、がんばったわね」 そんな僕の頭を闇子さんが優しく撫でてくれた。 がんばってよかったと切に思う。 ドンッ ドンッ 「何か」が女子トイレの入口を叩いている。 おそらく、闇子さんがドアを開けられなくしたせいで、入ってこれないのだろう。 「ここで一休み、といきたいところだけど… そうもいかないわ。今の私の力、弱いもの」 闇子さんがそう言い終わるのと同時に、 バキッ という音をたて女子トイレのドアが壊れた。 「ドアを壊しちゃって、わるい子ね。 先生に言っちゃうわよ」 そんな状況でも闇子さんは冷静だった。 何故なら、トイレは闇子さんの力が一番に発揮できるところだからだ。 「花子さんには負ける、悔しいわ」と言っていたが 「何か」は、呻き声をあげて近づいてくる。 なんとも形容しづらい呻き声だ。 「それにしても、あなた醜いわね。まさに汚物よ」 女子トイレの個室のドアが次々と開いていく。 「本当は便所紙以外は流しちゃいけないんだけど、今日は特別大サービスよ」 すると、「何か」は細々と分割され、便器に吸い込まれていった。 「はぁ…怖かった…」 「だから、何が怖いのよ。私だって同じようなものよ」 「だって闇子さんは…」 「私は…?」 「僕の友達だもん」 「そっ……そう」 プイッと顔を背け、そっけなさそうに返す闇子さんだが、 顔が真っ赤なので、照れているのが、まるわかりである。 そう、闇子さんはさみしがりやの女の子なのだ。 僕が初めて闇子さんと出会ったとき、 学校の友達と肝試しをしに、夜の学校の女子トイレに忍び込んだとき…… 他のみんなはすぐに逃げ出してしまったが、僕は怖くもなんともなかった。 だってそこにいたのは、 さみしそうに膝を抱えて座っている一人の女の子がいただけだったからだ。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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三面鏡の少女 33 冬休みも明けたある日の事 いつも通り騒がしい教室の隅の席で、静かに本を読んでる三面鏡の少女 中学から付き合いがある友人は学校内に何人かいるが、高校に入ってから積極的に友達を作ってはいない 都市伝説同士は引かれ合う 事実、それまで全く縁の無かった都市伝説事件が、自らが契約者となってからはそれなりの頻度で起こるようになったからだ 彼女自身が巻き込まれた場合は、黒服Hが裏で立ち回り知らぬ間に解決している事も多いのだが 深くもなくかといって疎遠という程でもない、友人という間柄が目も手も届かなく一番危険だと思うようになっていた だから彼女は、都市伝説に関わりの無い友人を作りたがらないのだ そんな事を知ってか知らずか、彼女の担当である黒服Hは彼女を都市伝説契約者に積極的に関わらせようとしなかった 元より何かに長けた能力があるわけではないので、無闇に関わらせても危険があるだけなので当然の判断ではあるのだが 「逢瀬、ちょっといいか?」 「ふぇ!? ご、ごごご獄門寺くん!?」 少女はその声に聞き覚えがあった あらかさまに動揺し、机に膝をぶつけ本を落としそれを拾おうとして椅子から転げ落ちそうになる 「いや、そういう反応をされても困るんだが」 「あ、あはは、そうだよね? うん、き、気を付ける」 「それより、ちょっといいか? 話したい事があるんだが」 「あ、うん。何かな」 「正月の時の件なんだが」 少女はごしゃんと音を立てて、椅子ごと転がった 「大丈夫か?」 「あ、あはは、うん、大丈夫大丈夫」 打ち付けた額を赤くしながら、転げた椅子を起こし立ち上がる少女 「教室で話すのも難な内容だし、ちょっと場所を変えていいか?」 「うん、できればあたしもそうして貰った方が助かるかも」 じんわりと頬を赤らめ、声を抑えて周囲の様子を窺いながらこくこくと頷き 二人は休み時間の喧騒の中、教室を出て行った 二人の気配が遠ざかっていったのを確認して、それまで無関心を装っていた5~6の男子連中がざざっと一箇所に集まってくる 「おい、獄門寺って委員長と仲良くなかったっけ?」 「妹も可愛いんだよなあいつ」 「小学生ぐらいの子とよく一緒にいるのを見掛けるぞ」 「中学生の子じゃなくてか?」 「それが妹だろ?」 「小鳥遊とも最近親しげだな」 「それでいて逢瀬にも手を出すつもりか」 「しかも何か満更でもなさそうなあのリアクションは何だ」 「あんな逢瀬、初めて見たぞ俺」 「……ちょっと待て。小鳥遊って確か男だろあいつ」 「バカだなお前、あんな可愛い子が女の子のはずないだろ」 「それもそうか」 「待て、お前ら色々と待て。ツッコんでいいところかそこは」 「ああ、かなりツッコミたいな」 「むしろツッコまれてもいいな」 「よしお前ら心の病院行ってこい。脳の病院でもいいぞ」 「そうだぞ、男はもっと筋肉質であるべきだ。そういえばこないだ公園で実に良い男と出会ってだな」 「お前も病院行ってこい」 ――― 「あの、お正月の時の話って……えーと、アレ自体は色々と誤解があると思うんだけど」 「いや、趣味は人それぞれだしそれは問題じゃないんだが」 「問題だよ!? 誤解されっ放しなの!? あの時も目一杯説明したよね!?」 「あの時は特殊なプレイ中だったわけじゃないって言い訳が中心で、事情は説明されてなかったからな」 「いや、その……えーと……」 「あの時は気のせいか、あの黒服のせいだと思ってたんだが」 ひょこりと獄門寺の陰から顔を出す、小さな女の子――花子さん 「みー、やっぱり蛇さんなのですよ。『トイレから出てくる下水蛇』に似てるのです」 「にゃ? その子って……たまに教室に入ってきてたりしたけど」 「花子さんに気が付いてるって事は、都市伝説絡みだと確定か」 困ったような、呆れたようなそんな口調 「花子さんって……獄門寺くん、もしかして都市伝説とか詳しい?」 「そう聞いてくるという事は、都市伝説について説明はいらないな。俺は……詳しいというか、この花子さんと契約してる」 「けーやくしゃなのです」 にぱーと笑う花子さんに、思わず微笑み返しをする少女 「それはともかくとしてだ。正月に一体何があったんだ? もしかしてあの時の黒服のせいか」 「うーん、話せば長くなりそうなんだけど……」 ちらりと視線を腕時計に落とす少女に、つられて獄門寺も時計を見る 「休み時間終わりそう」 「それじゃ続きは放課後だな。用事とかはあるか?」 「ううん、別にこれといっては無いけど……獄門寺くんはいいの?」 「構わない。周りにある面倒事は、ややこしい事になる前に解決しておきたい性分なんだ」 「ん、わかった。でも経緯はめんどくさいけど、そんな大事じゃないからね?」 暗に心配しないでと言っているとすぐに理解し、とりあえず頷いて返しておく 「それじゃ、教室戻ろっか。花子さん、またねー」 笑顔で手を振る少女と、嬉しそうに手を振り返す花子さん 「……大人しい奴だと思ってたけど、結構テンション高い方なんだな、逢瀬」 「そ、そんなにテンション高いかな!? 騒がしかったらごめんね!?」 「普段が普段だから、まあ少し驚いたな」 「うう、誤解が解ければこんなノリにならなくて済むのにー」 前ページ次ページ連載 - 三面鏡の少女
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平将門 年齢 ??? 所属 「首塚」 職業 「首塚」の主 家族 滝夜叉 935年、時の政府に反乱を起こした武士。桓武天皇の子孫。 関東の新皇を名乗った時期もあるが、大軍に攻められて敗北した。 その首は切られ、晒され……しかし、そこから平将門の呪いは始まる。 時は流れ、現在は「首塚」に本体を置き、首塚を汚す者、壊そうとする者に呪いをかける存在となっている 能力としては、強力で逃れようのない「呪い」の力を持っている それは、呪われた人間の死や不幸として、確実に実現される ただし、「呪い」には制限があり、首塚を汚す行為・言動。首塚を破壊するような行動をとった者・集団・組織にしか発動しない。 ……の、わりには「首塚」を見下ろす位置にあった某銀行にも呪いがかかっている辺り、少しいい加減なのかもしれない。 「呪い」の他、本気になると地面が揺れ(地震)、雷鳴を轟かせる能力もある。 また、本気になっていない時は胴体がある為、普通に武器による戦闘も可能である。 将門は現在「首塚」に隠れ里のような異空間を作り出してそこに留まっている その隠れ里は、将門に気に入られた人間しか入る事はできない 普段の将門の姿は甲冑を身に纏った若武者の姿をしている 秋祭りにおける「夢の国」との戦闘後、ひとまず「組織」への祟りは一旦終了 ただし、「組織」が「首塚」にちょっかいをかけ続ける以上、いつでも祟りを再開できるよう準備をしている 大好きな物 家族 好きな物 「首塚」を敬う者。酒と美味い物。気の強い女性 嫌いな物 権力を独り占めにする権力者。弱い者を踏みにじる存在。 大嫌いな物 「首塚」に害をなす者 苦手な物 黒服D、菅原道真 日景 翼(チャラ男) imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 年齢 21歳 所属 「首塚」 職業 フリーター(コンビニ店員。ケーキ店や中華料理屋、フォーチュン・ピエロの厨房。ピアノ教室の臨時教師などバイト多数) 家族 黒服D、望 (本来の両親は家族として認めていない) 金髪によく日焼けした肌の、チャラチャラした格好の青年。シルバーアクセサリーをじゃらじゃら身につけているが、ピアスだけは付けていない 都市伝説「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者 契約直後、黒服Dに発見され組織にスカウトされたが、堅苦しいことは嫌いだと断った 当時まだ未成年であった為、黒服Dから見逃されており、また、当時の家庭環境を同情されてか、色々と彼の世話になっていた なぜか言動・行動が腐女子に誤解されやすい むしろ、腐女子相手じゃなくても誤解されやすい そのせいか、年齢=彼女いない暦である…一応、ボイン好きなのだが。なお、Dカップ以上じゃないと認めないらしい。 「首塚」では将門の側近の一人であり、初期メンバーの一人でもある。 なお、元々は襲われ属性だったようだが、高校の頃に今のチャラけた格好をするようになってからはある程度マシに…なった……はず、である なぜか女装がよく似合うと言う不思議な特徴も 警戒心は強い方なのだが、一度心を許した相手や子供にはどこまでも甘く、無警戒 特技は料理(むしろ家事全般)とピアノ演奏 趣味はシルバーアクセサリー作り(身につけている物の大半は手作り) 秋祭り中の事件にて、望と共に黒服Dと多重契約を交わした その直前に「厨2病」と特殊な多重契約を交わしており、それにより「日焼けマシンで人間ステーキ」の能力の拡大解釈能力で炎を出せるようになった。ただし、体力の消耗が激しく、1日三回の使用が限度である。 過去に失恋した際の経験がトラウマとなっており、大切な存在を失うことに激しい恐怖心を抱く一面もある。 大好きな物 黒服D(家族として) 好きな物 望(家族として)、誠(親友として)、直希(友人として)、エリカ(初恋の相手として) 嫌いな物 「組織」、悪党 大嫌いな物 実の両親 苦手な物 無理矢理女装させてくる相手 キャリアウーマン(貴腐人) 年齢 2X歳 所属 「首塚」 職業 会社員 家族 現在は一人暮らし中だが、両親と兄がいる 「ハンガーの生首」の契約者 「組織」に同僚を殺された事があり、「首塚」組織に所属した もっとも、その同僚の死は本人の自業自得であり、彼女もそれは知っているが、割り切れないらしい 将門に対して絶対忠誠を誓っており、死ぬ時は将門の傍で、と考えている 将門の傍で酒の酌をしている事も多い 普段は真面目なキャリアウーマンだが、同時に貴腐人でもある 現在は目下、同じ組織内のネタになりまくりのチャラ男をネタにしている最中である なお、「首塚」組織内にて、彼女が貴腐人である事を知っている者は多分あんましいない 大好きな物 将門、やおい 好きな物 ハンガーの女幽霊、「首塚」の仲間 嫌いな物 納豆、「組織」 大嫌いな物 やおいを馬鹿にする者 苦手な物 不明 ハンガーの生首 年齢 不明 所属 「首塚」 職業 都市伝説 家族 キャリアウーマン(貴腐人) とある女子高に伝わる怪談が元となっている都市伝説 「ハンガーに制服をかける時、必ず襟側が壁を向くように。そうしないと、ハンガーにかけた制服に女生徒の生首の幽霊が現れる…」 「その女生徒は昔、運悪く生乾きのコンクリートに足を踏み込んでしまい、首から下がコンクリートに埋まってしまった。彼女はそのまま乾いていくコンクリートによって圧死してしまった。首がぼきりと曲がった状態で…」 「襟側を壁に向けずに制服をハンガーにかけ、その制服を着た少女は田んぼで死体となって発見された。首が無理矢理90度曲がり、体は田んぼに埋まった状態で」 以上が、その都市伝説である 彼女はその伝説通りハンガーにかけられた制服に首だけの姿で現れる そして、その制服を来た人間を、自分と同じような状態で発見されるように殺してしまうのだ なお、契約により現れることができる制服は別にセーラー服じゃなくてもよくなった 普段は、媒介であるハンガーを契約者が持ち歩いている限り、契約者にそっとついて回っている こっそりと隠れ巨乳。恥ずかしがりやさんで純情派である。 契約者の原稿をまともに見るとか絶対無理 ただいま、アンサーに淡い片思い中 大好きな物 アンサー 好きな物 可愛いもの 嫌いな物 「組織」、怖い人 大嫌いな物 グロテスクなもの 苦手な物 貴腐人の原稿 コアラショタ(鮫守 幸太) 年齢 6歳 所属 「首塚」 職業 幼稚園児 家族 コアラパパ 「幸せの眉毛コアラ」と契約している5,6歳くらいの少年 「うーうー」が口癖で、普段は歳相応より若干幼いくらいの話し方 しかし、都市伝説に関する知識は深く、それについて語るときは饒舌になる 首塚組織に所属した経緯は不明だが、とりあえず戦闘能力はほぼ皆無な為、他のメンバーに護られている事が多いだろう 将門と直接顔を合わせることができているのを見ると、チャラ男たちのように比較的初期に集められた者なのかもしれない 霊感があるようで、不吉な気配を感じたりもするらしい ちなみに、仲間であるキャリアウーマンから注ぎ込まれる視線がちょっぴり怖いらしい 正統派気弱ショタ?あぁ、そんな属性もあったかもね 大好きな物 パパ、将門様、滝夜叉 好きな物 「首塚」の仲間 嫌いな物 「首塚」の敵 大嫌いな物 都市伝説を信じない者 苦手な物 ピーマンとニンジン 賀川 玲人 年齢 30歳 所属 「首塚」 職業 「首塚」所有はなれ小島専属料理人 家族 不明 「カレーおじさん」の契約者 「首塚」所有の離れ小島で子供達の世話をしている内の一人。 一応、側近組ではなく、保護され組の一人である。 小学生の頃、女性に振られまくったトラウマから女性が苦手で、女装男子萌えと言う困った変態。 ちなみに、カレーおじさんと契約したのもの、その小学生の頃である カレーがタップリ入った鍋で殴られても、一時間もあれば復活するタフさを誇っている。 料理は全般的に得意だが、契約の影響でか、特にカレー作りが得意。 女装男子萌え以外の点については、意外と常識人 「首塚」に所属するようになったキッカケは、「組織」のスカウトが女性だったんで、それを断って追われるようになった為である 大好きな物 女装男子、カレー 好きな物 自分の作ったカレーを美味しいと言ってくれる人 嫌いな物 食事を残す奴 大嫌いな物 カレー嫌いな奴 苦手な物 女性 カレーおじさん 年齢 不詳(外見年齢は30~40代ほど) 所属 「首塚」 職業 「首塚」所有はなれ小島専属料理人 家族 なし(あえて言うなら玲人) 「下校しているとき出没しては「今日のおかずはカレーだよ~」と呼びかけられました。 学校でも何度か注意?されたことがあります。 なぜ「今日のご飯」じゃなくて「今日のおかず」なのか、なぜ「カレー」だったのか、今となってはわかりません。 ちなみに自分の友達はこのカレーおじさんに会った2回のうち2回とも晩ご飯はカレーだったそうです。」 …と、言う話から生まれた都市伝説。 洗練されたシェフの姿をとっている。 カレーと名の付く料理ならなんでも作れる他、狙った対象の食事を問答無用でカレーに決定させたり、恵役者のカレー作りの腕を伝説クラスまで上達させる能力を持っている。 どこからともなく、カレーがタップリ入ったカレー鍋を出す事があるが、それも能力の一つなのかもしれない。 契約者である玲人のことは「ご主人様」と呼んでいるようだ 大好きな物 カレー 好きな物 自分の作ったカレーを美味しいと言ってくれる人、ご主人様 嫌いな物 カレー作りがへタな人 大嫌いな物 カレー嫌いな奴、カレーをバカにする人 苦手な物 ハヤシライス 「コスタリカ帝国」の契約者 年齢 18歳 所属 「首塚」 職業 「首塚」離れ小島ガーディアン 家族 「首塚」離れ小島の子供達(本来の家族は不明) 強気でわりと自分勝手でちょっといっちゃってる系の性格っぽい 「組織」の狗やってるけど何かうざいなー、やめたいなーって思ってたら将門と出合った 「組織」の狗よりこっちの方がよさそうじゃね?とさらっと「組織」を裏切って「首塚」所属に変更 現在は「首塚」所有の離れ小島で、戦闘力を持たない「組織」から逃れた契約者や都市伝説を保護している建物にて、常に警備についている …が、侵入者なんて入ったことないので、普段の仕事は子守りと玲人への突っ込みがメイン 童顔で貧乳で低身長な為、実際年齢より年下に見えるのをちょっと気にしているようだ なお、契約都市伝説である「コスタリカ帝国」は、都市伝説ってよりコピペネタなんだが気にしない方向で わずかな生き残りのみが知っている、コスタリカ共和国の真の姿…と、言うネタコピペ 能力を知った者に問答無用で刺客が送られ、殺してしまうと言う力を持っている 一回殺されて上げない限り、刺客は何度でも送られてくるため非常にうざい なお、本人がコントロールできないから一番困る 大好きな物 将門様 好きな物 自分を褒めてくれる相手 嫌いな物 「組織」 大嫌いな物 「首塚」の敵 苦手な物 黒服D
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少女は馴れぬ日常を謳歌していた。 「ねえねえ、次あそこのお店に行こうよ!」 「おぅ? あそこなら薫ちゃん好みの服もあるよ!」 「俺はもう服は見なくていい……」 少女――――DKGこと本条薫は、げっそりとした顔で手を振った。 それは無理もない。なぜなら、先ほどからこのクラスメート達から人形扱いされているのだ(まあ俺だから仕方ないか……とナルシスト思考で納得していたりする)。 「そんなこと言わないでさ~。スタイルいいんだから、もっと着てよ~」 「俺は人形か? 時価百億円する人形か」 「百億円は高過ぎない?」 「安いくらいだ」 そんな冗談のやり取りをしていると、ポンと背中を捕まれた。 「すいません」 「あ?」 薫が振り返ると、ポニーテールが似合う少女――――に見える少年がいた。 「あなたの命、下さいな」 少年――――桃太郎は、そのまま大きく刀を振り下ろす。 この肩を掴んでいる手は、昔の日常に引きずり込むと、薫は感じた。 「あの野郎……こんなのもひょいひょい出しやがって」 「強さのインフレが上がりすぎかもっ。よくこんなの持ってるよね」 「まあまあ、お弁当No.0にベレッタNo.0、レジェンドハンターの事なんですから、今さらですよ」 「「余計にひどくなってる!!」」 ΩΔφNo.0のやり取りが終わると、本格的に現実を見始める。。 「……ファントムさん、あなたはDKGのところに行ってあげて下さい」 「ああ、No.0が三人もいれば、安心でき……ないか」 「信用がないですね」 「百鬼夜行の時のお前らは、噛ませ犬の警察だったからな」 「まあ、あれほど特異ではありませんし、私一人に任せてもらっても、お釣りがきますよ」 「……じゃあ、お前達に任せたぜ」 「お任せされました」 φNo.0が断言すると、ファントムは霧となり、空まで上り、DKGのところに飛んでいった。 「……それでは」 φNo.0の契約した都市伝説――――龍神が空から舞い降り、φNo.0は躊躇なく逆鱗に触れる。 「グァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」 龍神はドラゴンにも負けないよう雄叫びを上げ、ギロリと睨み付けた。 ΩNo.0も飲まれた都市伝説の力――――魔王の力を使い、闇を出す。 ΔNo.0も契約している都市伝説――――不死鳥とユニコーンを呼び出す。 「No.0の力を甘く見てもらっては困りますよ」 φNo.0は龍神の尾をむしり取り、刀に変えて、ドラゴン達に切りにかかった。 その刀は、ドラゴンの鱗に弾かれるが、φNo.0は余裕だ。 龍神は炎を自分の尾の刀に吹き付け、その刀は炎を纏う。 φNo.0は大きく飛び上がり、ドラゴンの鼻に、とんと着地する。 「龍神剣技――――業火一直線」 轟!! と唸りながら、ドラゴンの目を燃やし、一直線に貫き、φNo.0はドラゴンの背中から飛び出す。その先には龍神が待っており、その背中に着地して背の尾ひれを掴む。 悲痛な叫びがドラゴンの喉から聞こえるが、その体は内側から燃え、業火に潰される。 「さて、他の方達は……?」 ΩNo.0は、何やら禍々しい黒い剣を振り、闇の斬撃で何匹も切り裂いていき、光を放ったドラゴンの光さえ、それに飲み込まれてしまう。 ΔNo.0はユニコーンの背中に乗り、不死鳥の炎を振るいながら、ドラゴン達を討伐していく。 No.0の称号は、伊達じゃない。 そして、ファントムの方といえば、 「あの野郎……出し惜しみって言葉を知らないんじゃないか?」 途中まではうまく飛んでいたのだが、突如風神、雷神が現れ、思わぬ強風で地面に叩きつけられた。 その他にも、吸血鬼、タイタン、天狗、九尾、エクスカリバーを持ったアーサー王まで、それはもうぞろぞろとやって来た。 吸血鬼が信じられない力で掴みかかるが、それの腹を蹴飛ばし、次に矛と盾を持ったタイタンを、盾に自分の刀を叩きつけ吹き飛ばし、天狗の驚異の速度の蹴りを、カウンターで腹に拳を叩き込み、九尾が赤い炎の弾幕を飛ばしながら襲い来るも、白い刀から青い炎の弾幕を出して吹き飛ばし、アーサー王がエクスカリバーで切りにかかるが、刀で七連撃を叩き込んで吹き飛ばす。 ファントムが優勢にも見えるが、こちらは防戦一方で一歩も歩けやしない。 「……なら、俺も出し惜しみなくいくぞ?」 ファントムの背中から大量の霧が吹き出し、その青い目が一層光る。 「くア!!」 風神と天狗が強風で払い除ける。だが、そこには、信じられない光景があった。 「「「さあ、行こうか」」」 数はどれ程いるだろうか? 百は越えているかもしれない。それほどの数の『ファントム』がいた。 「「「俺がそこを歩く。退いて貰おうか」」」 数の暴力と自分達の力でねじ伏せてきた彼らのポジションが変わった瞬間。 ファントム達は、青く光る白い刀を振るいながら、その力を魅せつける。 そして薫はというと、 「邪魔だ」 キィン!! と桃太郎の刀と薫の大剣が拮抗し、互いに一歩も許さない戦いになっていた。 クラスメート達は突如刀を向けた桃太郎に怯え先に帰らせた。 今は場所を変え、どこかの廃工場で剣を交えている。 「面白い……本気を出せる相手は久しぶりです」 「生憎だが、お前じゃ弱すぎて相手にならない」 薫――――DKGは大剣を片手で構え、桃太郎は両手で刀を容赦なく振り回す。 その刀の描く軌道は、とても美しく、残虐的な死を表現していた。 「ええ、確かにあなたの方が強いでしょう」 しかし、と間を置き、 「それだけで勝敗が決まる訳じゃない。敵の死を望んでいる、自分の死を恐れぬ覚悟、それを持つ者だけが、勝つんです」 「――――ッ!!」 DKGは思わず後ろに飛んで、退いてしまった。 なぜなら、桃太郎の目は、死を望み、死を求めていた。 死、死、死、死、死、死、死、死、死、死、死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死。 彼女を苦しめる物が、ここにも出てきた。もう関わりたくないのに、死は向こうから歩いてくる。 「死を恐れた者は、死を求めている者に、負けます。そして消える」 尚も、死は近付いてくる。 決して、逃がす事ははしないと。 必ずや、引きずりこんでやると。 「死を恐れているあなたは、消えます」 「甘い!」 そしてDKGは、目の前の死を睨み付ける。 「生憎だが、俺は消えない。勝つのは、いつも俺だからだ」 「あれれェ~? ここまで言えば『うわあああ!!』とか情けない叫び声を上げると思ったんですけどね?」 「するか。俺はなんたって、世界最強の美少女だからな」 本当は恐い。だか、恐れていても、誰にも気付かれずに消えていくだけ。 それだけはごめんだ。彼女は『生きて』世界を味わいたい。その欲望の為だけに、人を殺してきた。 それに、今自分が死んだら、着いてきそうな男もいる。その男と触れ合えば触れ合うほど、『生きる』事にどんどん執着わいてきた気がする。 自分だけの命じゃない。そう考えると、不敵に笑みを浮かべる事ができる。 「それにだ。死を求めるやつは、幸せなんてやってこない」 「いいんですよ。私は都市伝説という鬼さえ殺せれば」 「お前だって同類だろ」 「ええ、そしてあなたもね」 二人はもう話し合っても意味がないと感じとり、二人は自然な動きで、互いの得物を振るう。 ガァン!! と鉄の鈍い音が響き、DKGは桃太郎の刀を軸に、大剣でクルリと桃太郎の頭の上を回り、その後ろに着地する。 桃太郎は反射的な早さで後ろを振り返るが、そのせいで懐に銃身を入れるのを許してしまった。 PGM・ウルティマラティオ・ヘカートⅡ。それは対物ライフルの分類に入り、ヘリコプターを簡単に撃ち抜き、人に撃てば腕なんか簡単に弾け飛ぶ――――それを、対都市伝説用としてさらに強力にしたもの。 その引き金を、躊躇いはしたがタイムロスは無く、引いた。 次の瞬間、桃太郎の上半身と下半身が弾け飛び、作られた偽りの血が、DKGの顔にかかった。 桃太郎は消えるかと思われたが、カードになりどこかへ飛んで行った。 DKGがその方向を目で追うと、孫悟空、エクスカリバーを持ったアーサー王、それに仕える三銃士、三つの顔と九つの腕を持つ阿修羅、グンニグルを持った主神オーディン、そして雷の矢を持つゼウスが、何百とそこにいた。 「……俺に何の恨みがあるんだ? ああ、この美貌が羨ましいか」 そんなDKGの言葉を無視し、超チート軍団は襲いかかる。 「……ん?」 兄からの都市伝説いうなの刺客を片付けた後、その後にも天狗集団やらゴーレム集団が出てきた時はビビったが、倒せた。 その途中、上で何やら大きな都市伝説の気配がした。上を見上げると、学校町でもトップを争う建物から、赤い光やら雷やらが見える。 上から薫の気配がするので、迷わずに行くことを決めた。 「……霧になるか壁を走るか実体で空を飛ぶか、どれにしようか」 壁を走るも実体で空を飛ぶも、パルクールで街を駆けている時に、噂されてできるようになったものだ。 ここは、無難に壁を走ることにして、一気に駆け上がることにした。 ファントムが駆け上がり、こそっと覗いてみると、黒いスーツを着た赤い髪の少女が、三人の少年と拮抗していた。 桃太郎、金太郎、雷小僧……どう考えてみても異色の組み合わせ。多重契約者とバカあ……レジェンドハンターしかいない。 身内にしろしないにしろ、ファントムのやることは変わらない。 白い刀を、青く、怪しく光らせる、 赤い髪の少女と、三人の都市伝説が、ビクッと体を震わせ、隠れているファントムのいる方向を見る。 そう思ったのも束の間、青く光る白い刀が、雷小僧の体を一気に貫いた。 雷小僧はカハッと息を漏らすと、カードになり空高く飛んでいった。どうやら、レジェンドハンターのものらしい。 (今、何か違和感が……?) 「……ど、どちら様ですの?」 赤い髪の少女は、両手の手首から赤いビームサーベルを光らせながら、首を傾げる。 「ファントム、この町の新参者だ。よろしく頼むぜ。Redy?」 「……ろ、ローゼ・ラインハルトですわ。よろしくお願いいたします」 いきなり野太い声ででよろしく頼むと言わて、多少怖がっているのだろうか? どこかびくついている気がする。 「……さっそく図々しいお願いかと思うのですが……これをどうにかして、くださらないっ!?」 襲いかかってくるタロウズを、体を回転させ、赤いビームサーベル――――『フォトン・デュアル・エッジ』で弾き飛ばすローゼ。 肩で息をしている辺り、かなり疲れているらしい。「ローゼ・ラインハルトと言ったら、RーNo.0だろ? 組織のNo.0なら、童話レベル二人でも大丈夫だろ」 ファントムは以前、組織に所属している者たちの資料を読んだことがある。その中にローゼの名前も入っていたのだ。 「……私、年下の男の人に弱いんですの」 「……危険な意味ではないと受け取ろう」 ファントムは片手サイズの白い鎌を霧から取りだし、青く光らせる。 「はァ!!」 ファントムは、タロウズの反応できない速度で鎌を投げつけると、二人のを真っ二つにし、カードに戻す。二枚のカードは、またしても空高く飛んでいった。 「……ありがとうございます」 「いや、これが俺の仕事みたいなモンだ。レジェンドハンターなら俺がやるから、嬢ちゃんは家に帰りな」 「……どこまで知っているかは知りませんが、ここから先は組織の任務です。一般の都市伝説に力は借りません」 「あいつのことだ。今度はショタ軍団で攻めてくるかもな」 「……うぅ」 「それに、だ」 「?」 「空での超音速バトル、お前にできるのか?」 ファントムは空を指差し、ローゼもつられて空を向いた。 「……え?」 ローゼが見たものとは、ステルス型超音速戦闘機Fー22が、オーディン達を撃ち落としている光景だった。 その頃、宇宙からUFOで戦況をみていたレジェンドハンター総司も、 「……ない。いくら殺しに特化してるからって、これはない」 DKGが乗っているFー22を観察しながら、そう呟いていた。
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アンケートまとめ ID vJqkSs620 さんの場合 Q00. あなたは都市伝説を信じますか? まぁ実際あったからねぇ…ハンバーグは今でも覚えてるぜでもものによる Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか? 笑い話にできるものと、いたら楽しそうだな、と思えるやつ Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか? 結界都市『東京』 花子さんと契約した男 Q03. Q02.のどこが好きですか? あれだけキャラがいるのに、それらすべてを生かしているところがすごいと思うバトルとギャグがはっきりしてるというのも。 Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか? Tさん・赤い靴。 Q05. Q04.のどこが好きですか? とにかくカッコイイ。寺生まれってすごい。ああいうキャラほしい。残念ながらうちには幼女が少ないので出しづらい… Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか? 自分のだしたキャラだけどベートーヴェンの中の人。もちろん絵の中の嫁を(ry Q07. あなたのフェティズムを教えてください。 アホ毛 読書好き 僕っ娘 Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。 ハピマテ 青空の見える丘で マジカルハピネス☆ Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!! なかなかネタが思い浮かばないし、書く時間もかなり限られてるんだぜ!俺みたいなのは、合間を縫ってちまちまと書き進めるぜ Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか? …何だろうね。『いいおとこ』とかじゃなければいいけど… Q11. あなたは赤/好きですか? 赤い靴のキャラは好きですけどね
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さて、ここはとある住宅街の一角。小学校も近い。 そんなところを俺は今全力疾走している。――ある『爺さん』に追いかけられながら。 その日、俺は散歩をしていた。学校も休みで、正直やることもなく暇だったからだ。 散歩中に旧友にでも会えたならよかったのだろうが。待っていたのは最悪な出会いだった。 ―――――爺さんだ。 その爺さんは、向こうの道から歩いてきた。 傘を持った爺さん。降水確率0%と今日の朝の天気予報で言っていたにもかかわらず傘を持っている。 その傘を持った爺さんとすれ違おうとしたとき、爺さんはその傘を俺の脇腹に当てた。 厳密には、「つついた」のだが、それに反応してしまった俺は、爺さんのほうを向いてしまった。 ―――その瞬間だった。俺の前の地面がへこんだのは。 その爺さんは、傘の一振りでもって俺の前のコンクリートの道路をへこませた。 …ヤバイ。直感的にそう思った俺は走り出した。爺さんから逃げるために。 「ハァッ、ハァッ…なんて運動神経してやがんだ…!あの爺さん!」 10分くらい走っているのだが、さっきから爺さんは疲れる様子は全くない。 それどころか、塀の上を走ったり、電信柱をどんどんと飛び移るという人間離れしたことまでやってのける。 しかし、いくら昼下がりの住宅街といってもなぜ人がいないのか。いてもこんな状況で助けてくれるとも思えんが。 仮に交番へ「傘を持った爺さんが追いかけてくるんです」などと言っても笑われるだけに違いない。 …あの爺さんは、どうやら俺を見失ったらしい。俺の後ろに爺さんはいない。 非現実すぎる現実を頭の中で整理しながら俺はすっかり迷い込んでしまった住宅街から逃げる道を考えてながら住宅街の角をまがった。 「…ッ!」 そこには爺さんがいた。だが、よく見ると傘を持っていない。どうやら一般人らしい。俺は藁にもすがる思いでその爺さんに話しかけた。 「そこの爺さん、ちょっと助けてくれ。道に迷っちまって。」 「…フゥム…ずいぶんと疲れておるようじゃの、若者。」 「ちょっと人に追われててな。…急いでるんだ、早く大通りへの道を教えてくれ」 しかし、その爺さんは道など教えてくれず、違うことを話した。 「かさジジイに襲われたんじゃな…全くあのジジイときたら…」 「えっ!?かさジジイ!?」 「最近このへんに傘を持ったでんぢゃらすなじーさんが現れると聞いてな。そのジジイはわしの昔馴染みじゃからの。 久々に顔を見るついでに成仏させてやろうと思うてのぅ。」 「…成仏!?」 同年代の爺さん相手になんてことを言うのだろう。そんな事を思ったが、傘ジジイという名前に俺は昔の記憶を蘇らせ、それを爺さんにぶつけた。 「…かさジジイ…?あんなに凶暴な爺さんだったか?」 ―――傘ジジイ。晴れの日でも傘を持ってて、通り過ぎる人を傘でつつく。 雨の日にも現れるがなぜか傘を使うことはない。 子供のころ小学校で聞いた都市伝説だ。実際にいるとは思ってなかったが。 「昔は、な。今は傘に取り憑かれたただのもうろくジジイじゃよ。」 「…ところで、あんた一体何m」バコォオオォン! …俺の後ろで爆音が鳴り響いた。後ろに振り替えると、家のブロック塀が粉々になっていた。 そしてそこには傘を持った爺さん――「かさジジイ」が立っていた。 「話しとるひまはないの、若者」そして俺と爺さんは後ろへ走り出した。 「なぁ爺さん、アンタ何者なんだ?」 「この状況から助かりたいか若者!家に帰りたいか若者!」 「質問に答えろおぉぉぉぉぉぉ!」 そんなやり取りのうちにもかさジジイは俺たちに近づいてくる。 「生きたいか若者よ!それとも逝きたいか!」 「爺さんがそういう表現使うんじゃねえよ!生きてえよ!」 「ならば話は早い!わしと契約するんじゃ!そうすればわしがお前さんを手助けする!」 …契約?意味がわからない。どういう契約だよ。が、俺の口からは別の質問が出ていた。 「契約ってどうやんだよ!」「このハンバーグを食べるんじゃ!」 そういって出されたのは何の変哲のないハンバーグ。…食いかけ。 「…こんなん食うだけでいいのか!?そんだけで助けてくれるのか!」「ああ!じゃから早く食え!早くしないと両方とも逝ってしまうぞ!」 だからその表現をryと突っ込む時間もなく、俺はそのハンバークを口に入れた。 ――――ある日、家の車のフロントガラスにあり得ないものが張り付いていた。 それは、「ハンバーグ」。食べかけのハンバーグが張り付いていた。 当時、かさジジイとともに広まっていた伝説。わが町だけの伝説だと知ったのは中学時代に入ってだった。 「ハンバーグジジイ」――――車にハンバーグを張り付ける変な爺さんだ。 …フロントガラスのハンバーグ。俺のとって初めての怪奇現象だった 「お前が俺んちのフロントガラスにつけたのか!あのハンバーグ!」 「ほぅ、お前さんちにも行っていたのか。現役のころの時代がよみがえるわい。ほっほっほっ…」 「なつかしむ前に今はこの状況から助けてくれ!早く!」 正直もう危ない。傘が空を切る音がすぐそこで聞こえる。 「お前さん、ハンバーグを作ったことはあるか?ハンバーグの形を作るような動きをしてみよ。」 「…こうか?」昔調理実習あたりで作った記憶を必死で蘇らせながら手を動かす。 「…いい動きじゃ。…そろそろじゃ…」「…?おおぉぉ!?」 手が光り輝き、一瞬で手にハンバーグが生み出された。「おい!これでどう助かるんだよ!」 「あとはわしに任せい! ぬえぃ!”肉塊移動”!」 「ぶごわぁぇぁぃぅぇ!!?!?!??」 一瞬だった。俺の手からハンバーグか消えたと思ったらそれはかさジジイの顔に直撃していた。 「ほあぅえうおりkfぢうじゃぃ……」「久々じゃの、ジジイ。」 できたてのハンバーグの熱さにのたうちまわるかさジジイ。その横に立つハンバーグジジイ。 「全く…体もボロボロのくせに…無理しおってから…」 そう言いながらかさジジイにハンバーグを食べさせる。…そして、なぜかかさジジイが消えかけていく。 「わしは、まだ逝かん。じゃから、せめて冥土でばあさんと暮らせや。元気での。」 「あ…ぅ……」 そして…かさジジイという名の都市伝説はいま、消滅した。 「…で、爺さんいつまでついてくるんだ?かさジジイには会っただろ。」 「わしとおまえは契約を交わした者同士じゃからな。都市伝説と戦ってゆくことになる」「はぇ!?」 「そういえば話してなかったの。都市伝説と契約したものは悪い都市伝説と戦うことになる、と。」 「……へ?…てかアンタ悪い都市伝説の類じゃないのか?」 「フン、わしゃあまだぬるいもんじゃよ。あのジジイもな。ただあやつは傘に取り憑かれ、凶暴化しただけじゃがな」 「…で、俺にその凶暴な都市伝説と戦えと?」「拒否権はないぞ若者。それにおぬしはわしに借りがあるじゃろう?」 「……わかったよ、爺さん。戦うぜ。爺さんのハンバーグとともにな。」 とまぁ、こんなわけで俺の都市伝説との戦いはある晴れた日から始まった。 前ページ次ページ連載 - わが町のハンバーグ
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憎い 憎い憎い妬ましい バレンタインよ滅びたまえ 男、片桐 速雄は、繁華街を歩きながら苛立っていた 流石は2月14日 街中にカップルが溢れる溢れる 憎い憎い妬ましい 嫉妬パワー全開の片桐 …今こそ! 今こそ!自分が契約している都市伝説の能力を使うところだ!! 「はい、たっちゃん、あ~ん」 「ありがとう、南ちゃん」 OK,まず、ターゲットはそこのベンチでチョコレートを「はい、あ~んv」なんぞやってやがるカップルだ 女性が持っている、チョコレート それに、片桐は視線を向けた その瞬間 どろり…チョコレートが、変化する 「っきゃあああああああああああ!!??」 「うわ、な、なんだぁ!?」 途端に、周囲を巻き込みパニックになる ニヤリ、片桐は笑いながら、その場を後にした あぁ、愉快 楽しい楽しい 片桐は、都市伝説契約者だ 「チョコレートは牛の血を固めた物」 そんな、古い都市伝説と契約していた 能力は、非常にシンプル チョコレートを牛の血に変え、牛の血をチョコレートに変える もっとも、片桐の視界内にそれが入っていなければ効果は発動しない あぁ、箱の中に入っているチョコレートも変化させられるなら、もっとたくさんのカップルにぎゃふんと言わせられるのに 「…あぁ……彼女欲しいな…」 できる気配はないけれど とにかく、今はカップルがどこまでも憎く憎く、妬ましく 今日中に、たくさんのチョコレートを牛の血に変えてやろう そう考えながら、片桐は学校町を彷徨うのだった 終われ 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
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学校町のとあるカフェ。授業をサボったらしい少年以外に客はいない。 彼が冷たいココアと平和な昼下がりを満喫していると 「こんにちはー!」 子どもの声と共に、シャツを思い切り引っ張られて危うくココアごと後ろにひっくり返りそうになった。 すんでのところで踏みとどまり、後ろを振り返ると、そこには小柄な少女がひとり。 「えーと、ここに描いてある鳥居を知らないかな?」 顎のあたりで切り揃えられた黒髪に、薄青色の瞳。 来日して間もない外人の子どもが観光名所を探している。 そんなふうに判断した少年が口を開くより先に、一枚の画用紙が眼前に突きつけられた。 色鉛筆で描かれているどこかの神社らしい小さな鳥居と鎮守の森・・・のようなもの。 少女曰く、鳥居は「呪いのサイト」と云う都市伝説であり、 自分はサイトの写真にあるこの鳥居を見つけないと死ぬのだと言う。 「なあチビ、これお前が描いたのか」 「うん。ホントはプリントアウトしたかったけど」 少年は苦笑いした。 「絵が下手すぎてわかんねえよ」 その声が届いた瞬間、少女の眉は見る見るうちに吊り上がる。 顔は目に見えて赤くなり、瞳が水分過多になってゆくのがわかる。 ヤバい泣きそうと焦った少年が、でもお前日本語は上手だなと、下手なフォローを入れたが 少女はふくれっ面で店を飛び出していった。 「あちゃー、失言だったな」 まあ目の前で泣きわめかれるよりいいか。 そう思い直して、氷の融けかかったココアをストローでかき回した。 「失礼しちゃう!」 店を出てからも尚、少女の機嫌は傾いたままだったが、何時までもふてくされていられない。 厳重な外出禁止令をかいくぐって出て来たのだ。 もたもたしていたら何の成果もあげられないまま連れ戻されてしまう。 周囲を見回した少女の瞳に映ったのは、ひとりの女の後ろ姿。 女の人なら良い。大人の女の人ならさっきのあいつみたいに、絵を笑ったりしないで親切にしてくれるかもしれない。 そう考えた少女は小走りに女に近づいて声を掛ける その前に 女の方が振り向いた。 「私・・・キレイ?」 その女は大きなマスクで顔の半分ほども覆っている。 言うまでもなく「口裂け女」であり、 ここが学校町でなくてもまともに答えを返す人間などいないだろう。 知らないのか鈍いのか、少女は至って愛想よく返す。 「うん、キレイだよ!」 にっと笑った口裂け女の手が少女の襟首に伸び、そのまま締め上げた。 「な!やだっ」 振りほどこうと暴れる少女を地面に引き倒し鎌を振り上げたその瞬間 「エターナルフォースブリザードぉぉ!!」 叫び声と、口裂け女が両耳を押さえて吹っ飛んだのはほぼ同時だった。 もちろん“エターナルフォースブリザード”が実際に発動した訳ではない。 都市伝説『厨二病』と契約でもしていれば話は別だが。 この少女、ノイ・リリス・マリアツェルの契約している都市伝説は『地獄の声』 とある島にあるという「悪魔の山」 近づくと狂い死にするというその地に響く“悪魔の声”によって、アメリカの調査員二人が廃人同様となり・・・ 彼らは生涯回復することはなかったという。 ノイの能力はその『地獄の声』を自らの声に乗せ、相手の聴覚を直接攻撃する力。 声が出る限り使えて、聴覚のある相手ならば人間、都市伝説を問わず効力がある。威力も自在とあって 「命のやりとりまではしたくはないが自分の身は自分で守りたい」 というノイにはうってつけの都市伝説だった。 「うー、とんだ災難」 呟きながら身を起こしたノイの視界に入ったのは、無断外出した彼女を連れ戻しに来た大人たち。 「ノイちゃん!」 「ノイ・リリス!このバカ者!」 こうなってみればありがたさ半分、煩わしさ半分といったところだ。 ノイはとりあえず笑顔でピースサインを示して見せた。 外出禁止なんてバカバカしい、あたしだってやれば出来る、と。 黒髪の青年、浅倉柳が駆け寄って抱え込むように抱きしめる。 「ノイちゃん、ケガはない?」 頷くノイのワンピースの埃を払ってやり、ずり落ちたベレーを直してやる。 強かったね、格好良かったよと頭を撫でてもらってご満悦のノイにもう一人歩み寄った人影があった。 それは柳より幾分か年長に見える赤毛の男で、柳に手を伸ばし、首根っこを掴むや否や投げ飛ばした。 「痛っ!」 「いかがわしい真似をするんじゃない!」 「いやまだちょっとハグしただけ・・・」 「柳!大丈夫?」 赤毛の男の手を振りきってノイが柳に駆け寄り、引っ張り起こした。 彼は背中から着地した痛みに呻きつつも笑って起きあがる。 「大丈夫だよ、ありがとう。ノイちゃんは優しいね」 「うん。だって柳が大好きだもん!」 「こっちに来てくれた日も言ったけど、一人で外に出ちゃダメだよ。 ここは都市伝説がとても多いけど、その分都市伝説と、人や契約者との揉め事が多いんだ」 みんな心配してたんだよ、ムーンストラックと飛縁魔にも後でちゃんと謝ること。 そう柳はノイを諭し、ノイは黒髪を揺らして頷いた。 「あとで・・・ふたりにも謝る。柳、ごめんなさい」 未だ手を繋いだままの二人を引きはがそうと再び柳に手を伸ばした男を、ロングヘアの女が制した。 ロングヘアの女は「飛縁魔」 柳と契約している都市伝説で、「得意技は色仕掛け、趣味は何でも燃やす事」と公言してはばからない。 赤毛の男は「ムーンストラック」四歳で両親を失ったノイと契約し、それ以来彼女の親代わりをつとめている。 どちらも永く生きてきた都市伝説ではあるが、両者の価値観には大きな隔たりがある事を互いに認めている。―特に彼らの契約者たちの関係については。 「いーじゃないの。将来を誓った男女の仲睦まじい光景。美しいと思わない?」 「オレは認めた覚えはない!」 常識的に考えて、八歳の少女が一回りも年上の男を連れて来て 「あたしこの人とけっこんする」 と言い出したところで、はいそうですかと本気で言える保護者がいたら、その方がどうかしている。 子どもによくある憧れのようなもので、どうせすぐに飽きると高をくくっていたが それから四年が過ぎても彼の幼い契約者は「婚約」を取り消す様子はない。 ・・・率直に言えば、柳は気に入らない。 日本人にありがちな控えめな性分、と言えば聞こえはいいが、優柔不断としか思えない。 おまけに、厳格な彼から見ればとにかくノイに甘い。 育ての親である自分の教育方針も差し置いて何でも聞いてやってしまう。頼りないこと夥しいではないか! お前を疎んじている、とはっきり態度に出しても、奴は困ったような様子で苦笑いを浮かべるのみで何を考えているのか一向に知れたものではない… どおぉぉぉぉん 派手な雷鳴と、きゃあという歓声に現実に意識が戻る。 いつの間にか水滴たちが落ちてきて、髪や服を湿らせつつあった。 「雨か・・・」 「ひどくなりそうねぇ。お嬢ちゃんも捕獲した事だし、早く帰りましょ」 「その前にコンビニで傘を買っていかない?」 ノイちゃんが濡れちゃうと柳がハンカチを取り出してノイの頭に被せる。 帽子を被ってるでしょーが、という飛縁魔のツッコミは華麗にスルーした。 帽子の上からハンカチを被せられた当人はと言えば、郷里のウィーンではほとんど見られない夕立が物珍しく、シャワーみたいときゃあきゃあ歓声をあげている。 ほんの僅かの間に雨は激しくなり、全員があっと言う間に濡れ鼠になってしまった。 「ここまで濡れたら、もう手遅れな気もするけど」 飛縁魔が肩をすくめた。白いシャツは既に水分を一杯に含んで素肌が透け、大いに目のやり場に困る… 否、大抵の男なら見たくて仕方ない姿をさらしている。 ともかく今からでも、傘とタオルでもあれば今よりマシにはなるだろう。 そう結論を出した一同は少し先に見えていたコンビニに向かって一斉に駆け出した。 「・・・・・・」 雨の中、彼らの後ろ姿を眺める金髪の女。 背が高く、その容貌は美女と称して差し支えないのに、醸し出す雰囲気はどこか陰惨で。 その手には血塗れの斧が握られ、視線は冷たくノイの背中を見据えていた。
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(このお話で出てくる怪奇チャンネルの契約者は、読み切りの主人公ではありません) 吐く息が白く、凍り付く。 少女はドアを開け、外を見た。 満点とまではいかないが、綺麗な星が輝く夜空だった。 マンションの7階から見える、下半分の世界は少女からすると澱んで見えた。 澱みを一睨みすると少女は、近くにあったファーの付いたケープを羽織り、玄関から足を踏み出す。 「まったく、これじゃお嬢様と言わんばかりのコーディネートじゃない」 少女は玄関の鍵をかけ、ヴァイオリンケースを模した鞄に鍵をしまい込む。 「ま、いっか。こんな時間に出歩いてる人は、ある程度までは、同じような人よね」 夜は氷点下まで冷え込むと、普通のテレビのアナウンサーが言っていた。 普通じゃないアナウンサーは、こう言っていた。 『今夜は、冷や汗も凍る寒い夜になるでしょう』 少女は、スカートのポケットからケータイを取り出す。 ケータイでスカートが、ぽっこりでるのは女の子としてどうだろうとも思うが、いざって時に一番頼れるのがこれしかないので、仕方がない。 カチカチとケータイをいじりながら、夜の町の探索を始める。 ケータイのメニューを開き、ワンセグをクリックする。 普通じゃないアナウンサーの出る番組がもうすぐ始まる。 時刻は、1 59 少女のケータイがあり得ないテレビ局の電波を受信する。 N○Kが映るはずのチャンネルで、二時を知らせる時報が鳴る。 怪奇チャンネルの始まりだ。 ○にも奇妙な物語を調子っぱずれにしたOPが流れる。 少女は、ケータイを見つめながら、周囲に神経を張り巡らせた 。 こんな夜中に女性が一人。 良くも、悪くも、人を寄せ付ける。 まぁ、系統的には弱ロリータファッションだが、今時珍しくもないだろう。と、思う。 少女が悶々と自身を変な自信で勇気づけている間に、番組は進行していく。 今日の内容は『人魚と魚人の違い』と『あの世ツアー地獄巡り三巡目』と、あとはちょっと覚えてられなかった。 「今日はハズレか。もう30分もたってるのに」 少女がいくら厚着しているとはいえ、とっくに体の芯まで冷えている。 「帰ろう、作戦の立て直しだわ」 『次は、学校町のピックアップ都市伝説&契約者です』 「待ってました!!」 食い入るようにケータイを見つめ、本体を握り直す。 画面の中の喪服のアナウンサーは淡々と抑揚のなく、まるでお悔やみを申し上げるように都市伝説と契約者の名前を告げていく。 「さあ、早くしないとあなたの名前が出るわ」 少女は、首から下げたネックレスを服の上から確認する。 少女の気持ちの高ぶりとは裏腹に、付近には物音一つしない。 街頭や、殆どの家から消されたはずのわずかな明かりだけが、世界からの文化的な息遣いだった。 『では、続いて次の~』 気が付けば、44分人の都市伝説と契約者の名前が垂れ流され、何事もなかったように次の番組に移行していた。 「・・・。ダメか」 少女はふう、と真白の青息吐息。 「実行してみただけ、良いよね。寒いし、帰ろう」 少女が踵を返そうとしたとき、足が止まった。 怪奇チャンネルが映し出していたのが、学校町。しかも、自分が今さっき通ってきた場所だったからだ。 画面が激しくブレている。カメラを持ったまま走っているところなのだろう。 脇のテロップを見る。ケータイの画面では、小さくて読めない。 『我々は今、ピックアップ都市伝説、ワーストランキングに入るだろう期待の新人を追っています』 ちょうど良く喪服のアナウンサーの説明が青白い顔と共に入り、画面外に消えていった。 ごくり。 少女は、生唾を飲んだ。 この、近くだ。怪奇チャンネルのクルーがこの近くまできている。 少女にとっての問題は勿論怪奇チャンネルのクルーではない。 「都市伝説・・・ワースト・・・」 少女が、身を強ばらせたときだった。 「動くな」 背後で男性の声がした。 声から多分、老けていないことはわかった。 それ以上にわかったことは、後ろの人間の尋常じゃない殺気と、背中に当たる尖ったものだった。 殺気に関しては、まだ。認識はしているが、理解はしていなかった。 こんな時間に出歩いているなんて、変質者か、犯罪者か、目的があって動いているやっぱしちょっと認識のはずれた人かしかいない。 平たく言えば、同族なんだろう。 都市伝説という言葉を吐いた、タイミングと言い。 思惑は、当初の作戦通り。 後ろをとられたことは、作戦のイメージ外だった。 少女は、今のところ"動くな"という命令に従っていた。 次に動きがあれば、打開策に打って出る。 少女が気合いを入れて、ヴァイオリンケースを握りしめたときだった。 「チッ、お前は違う」 背中に付いた、尖った感覚が離れていく。 後ろの人物が駆け出すのと、振り向いたのはほぼ同時。 まず目に入ったのは、ファー付きの白いダウンジャケット。 フードを被った頭は、顔は見えない。黒いズボンに、白いスニーカー。 少女は、今し方まで突きつけられていた、凶器の確認をする。 愕然とした。 思わず、言葉が口を付いて出た。 いや違う。言葉が常識、配慮、その言葉を吐いたことで陥る気まずい空気。何もかもをすっ飛ばして出てきた。 「・・・スプーン・・・」 少女の頭の中で、小さくなる白い服と、小学生の時に食べた給食の時の映像がダブる。 そう、給食で使った金属のスプーン。別名、すいかスプーン。 少女は、疑問を感じた。 何故自分はあれを、尖った凶器だと勘違いしたか? どう考えてもあれは、尖った凶器にはなり得ない。 もう一つ。何故、あんなにハッキリとスプーンが、スプーンだと認識できたか? 街灯があるとはいえ、夜の闇の中。 去っていく人間を確認できたのも、白い服を着ていたからだった。 「・・・?、去って・・・。ああ!」 少女は、頭を抱えた。みすみす見逃したのだ。 向こうから現れた、都市伝説の契約者を! 見ず知らずの自分を狙ってくるあたり、無差別の犯罪者だ! 「あれ、でも・・・」 少女は頭の中でリピートする。 "お前は違う"という台詞。 「意味は何?誰なら、当たりなのよ?」 ひどく不鮮明になった頭とは逆に、ようやく昨日を思い出した五感は電気信号を脳に伝える。 聴覚が、流れっぱなしの怪奇チャンネルの音声を拾う。 ケータイを見た。 『今、この公園に潜んでいる模様です』 テレビクルーのライトだけが、当たりを照らしている。 昼間のうちに、学校町の地図は頭に叩き込んだ。 街灯が一つもない公園。あそこしかない! 少女はヴァイオリンケースを小脇に抱え、走り始めた。 プロローグ 終
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(このお話で出てくる怪奇チャンネルの契約者は、読み切りの主人公ではありません) 吐く息が白く、凍り付く。 少女はドアを開け、外を見た。 満点とまではいかないが、綺麗な星が輝く夜空だった。 マンションの7階から見える、下半分の世界は少女からすると澱んで見えた。 澱みを一睨みすると少女は、近くにあったファーの付いたケープを羽織り、玄関から足を踏み出す。 「まったく、これじゃお嬢様と言わんばかりのコーディネートじゃない」 少女は玄関の鍵をかけ、ヴァイオリンケースを模した鞄に鍵をしまい込む。 「ま、いっか。こんな時間に出歩いてる人は、ある程度までは、同じような人よね」 夜は氷点下まで冷え込むと、普通のテレビのアナウンサーが言っていた。 普通じゃないアナウンサーは、こう言っていた。 『今夜は、冷や汗も凍る寒い夜になるでしょう』 少女は、スカートのポケットからケータイを取り出す。 ケータイでスカートが、ぽっこりでるのは女の子としてどうだろうとも思うが、いざって時に一番頼れるのがこれしかないので、仕方がない。 カチカチとケータイをいじりながら、夜の町の探索を始める。 ケータイのメニューを開き、ワンセグをクリックする。 普通じゃないアナウンサーの出る番組がもうすぐ始まる。 時刻は、1 59 少女のケータイがあり得ないテレビ局の電波を受信する。 N○Kが映るはずのチャンネルで、二時を知らせる時報が鳴る。 怪奇チャンネルの始まりだ。 ○にも奇妙な物語を調子っぱずれにしたOPが流れる。 少女は、ケータイを見つめながら、周囲に神経を張り巡らせた 。 こんな夜中に女性が一人。 良くも、悪くも、人を寄せ付ける。 まぁ、系統的には弱ロリータファッションだが、今時珍しくもないだろう。と、思う。 少女が悶々と自身を変な自信で勇気づけている間に、番組は進行していく。 今日の内容は『人魚と魚人の違い』と『あの世ツアー地獄巡り三巡目』と、あとはちょっと覚えてられなかった。 「今日はハズレか。もう30分もたってるのに」 少女がいくら厚着しているとはいえ、とっくに体の芯まで冷えている。 「帰ろう、作戦の立て直しだわ」 『次は、学校町のピックアップ都市伝説&契約者です』 「待ってました!!」 食い入るようにケータイを見つめ、本体を握り直す。 画面の中の喪服のアナウンサーは淡々と抑揚のなく、まるでお悔やみを申し上げるように都市伝説と契約者の名前を告げていく。 「さあ、早くしないとあなたの名前が出るわ」 少女は、首から下げたネックレスを服の上から確認する。 少女の気持ちの高ぶりとは裏腹に、付近には物音一つしない。 街頭や、殆どの家から消されたはずのわずかな明かりだけが、世界からの文化的な息遣いだった。 『では、続いて次の~』 気が付けば、44分人の都市伝説と契約者の名前が垂れ流され、何事もなかったように次の番組に移行していた。 「・・・。ダメか」 少女はふう、と真白の青息吐息。 「実行してみただけ、良いよね。寒いし、帰ろう」 少女が踵を返そうとしたとき、足が止まった。 怪奇チャンネルが映し出していたのが、学校町。しかも、自分が今さっき通ってきた場所だったからだ。 画面が激しくブレている。カメラを持ったまま走っているところなのだろう。 脇のテロップを見る。ケータイの画面では、小さくて読めない。 『我々は今、ピックアップ都市伝説、ワーストランキングに入るだろう期待の新人を追っています』 ちょうど良く喪服のアナウンサーの説明が青白い顔と共に入り、画面外に消えていった。 ごくり。 少女は、生唾を飲んだ。 この、近くだ。怪奇チャンネルのクルーがこの近くまできている。 少女にとっての問題は勿論怪奇チャンネルのクルーではない。 「都市伝説・・・ワースト・・・」 少女が、身を強ばらせたときだった。 「動くな」 背後で男性の声がした。 声から多分、老けていないことはわかった。 それ以上にわかったことは、後ろの人間の尋常じゃない殺気と、背中に当たる尖ったものだった。 殺気に関しては、まだ。認識はしているが、理解はしていなかった。 こんな時間に出歩いているなんて、変質者か、犯罪者か、目的があって動いているやっぱしちょっと認識のはずれた人かしかいない。 平たく言えば、同族なんだろう。 都市伝説という言葉を吐いた、タイミングと言い。 思惑は、当初の作戦通り。 後ろをとられたことは、作戦のイメージ外だった。 少女は、今のところ"動くな"という命令に従っていた。 次に動きがあれば、打開策に打って出る。 少女が気合いを入れて、ヴァイオリンケースを握りしめたときだった。 「チッ、お前は違う」 背中に付いた、尖った感覚が離れていく。 後ろの人物が駆け出すのと、振り向いたのはほぼ同時。 まず目に入ったのは、ファー付きの白いダウンジャケット。 フードを被った頭は、顔は見えない。黒いズボンに、白いスニーカー。 少女は、今し方まで突きつけられていた、凶器の確認をする。 愕然とした。 思わず、言葉が口を付いて出た。 いや違う。言葉が常識、配慮、その言葉を吐いたことで陥る気まずい空気。何もかもをすっ飛ばして出てきた。 「・・・スプーン・・・」 少女の頭の中で、小さくなる白い服と、小学生の時に食べた給食の時の映像がダブる。 そう、給食で使った金属のスプーン。別名、すいかスプーン。 少女は、疑問を感じた。 何故自分はあれを、尖った凶器だと勘違いしたか? どう考えてもあれは、尖った凶器にはなり得ない。 もう一つ。何故、あんなにハッキリとスプーンが、スプーンだと認識できたか? 街灯があるとはいえ、夜の闇の中。 去っていく人間を確認できたのも、白い服を着ていたからだった。 「・・・?、去って・・・。ああ!」 少女は、頭を抱えた。みすみす見逃したのだ。 向こうから現れた、都市伝説の契約者を! 見ず知らずの自分を狙ってくるあたり、無差別の犯罪者だ! 「あれ、でも・・・」 少女は頭の中でリピートする。 "お前は違う"という台詞。 「意味は何?誰なら、当たりなのよ?」 ひどく不鮮明になった頭とは逆に、ようやく昨日を思い出した五感は電気信号を脳に伝える。 聴覚が、流れっぱなしの怪奇チャンネルの音声を拾う。 ケータイを見た。 『今、この公園に潜んでいる模様です』 テレビクルーのライトだけが、当たりを照らしている。 昼間のうちに、学校町の地図は頭に叩き込んだ。 街灯が一つもない公園。あそこしかない! 少女はヴァイオリンケースを小脇に抱え、走り始めた。 プロローグ 終